職人のなせる業
嬉しい報告が飛び込んできました。
先日のブログ「選択できる人生」内で紹介した生徒ですが、第一志望校に合格しました。
1日2コマ週3から毎日2コマと通塾回数も増え、寒いさなか雨の日も風の日もよく頑張りました。
初めて塾に来たのは中1の終わり頃。
なかなか自分を出さなかったのですが、自分のペースにはこだわっており、授業が終わるまでの力の入れどころと抜きどころを計算するんです。
一筋縄ではいかないところがあるので、ある意味扱いにくい面もあったのですが、必要性を感じると集中して実行できるタイプなので、自尊心を傷つけないように必要性を意識させながら授業を進めてきました。
2年生の間は、「別に高校に行かなくても」っていうくらい冷めていたんですが、3年生に近づくにつれて「大学に行こうかな」というようになり、まさに受験の必要性を感じ始めたわけです。
それでも家ではなかなか勉強をせず、もどかしい日々が続きました。
好きな科目は懸命に問題を解くのに、嫌いな科目は「のらりくらり」という表現がピタリと当てはまるような解きっぷりです。
好きな英語だと、文法は高校生レベルまで解きこなしていましたから。
職人気質といってもいいかもしれませんね。
私としてはおもしろかったのですが、何と言っても受験が控えているので面白がってはいられません。
英語は安定して得点できていたのですが、その他の科目は上がったり下がったりと不安定な状態を繰り返すばかりでこちらは歯がゆい思いに。
一方本人はどこ吹く風で、「俺はまだ本気を出していない」状態。
さあ3年になって本気モードに入ろうかとした時には、定期テストの問題は難しくなるは周りのレベルは上がっているはで、やや焦りだすことに。
こうなると、受験対策も通り一遍のことを行ったのでは合格におぼつかないと感じました。
カギは数学です。
数学で破壊的な点数を取らなければ英語で十分挽回できるので、数学の単元の中で得点源を作ろうと考えました。
ただ数学は最も嫌いな科目で積極的に解こうとはしません。
根競べのように、過去問や類似問題を解いてもらったのですが、繰り返し問題を解いているうちに空間図形が解きやすいことに気づきました。
さすが職人!普通は多くの受験生が苦手とする単元です。
本人の思考パターンに合っていたのでしょうね。しかも、空間図形は配点が大きい。
正月明けからは、空間図形の問題になると嬉々として解いていたのを覚えています。
そうして迎えた受験前日。やり切った感がなんとなく漂っていました。
振り返ってみるとあっという間の2年間でしたが、彼からは様々なことを学びました。
改めて、生徒個人々々の資質を見極める大切さを痛感しています。