いや、無理…(1)
「だめだぁ」が口癖の生徒がいました。
どうせできないよ、間違えるよ、無理だよ……
いろんなネガティブ用語が飛び出して、さあどうしたものか。
何がこの生徒に響くか、教室に来るたびにじっと観察していました。
決してやってもできないわけではなく、やる前に強烈なブレーキをかけるタイプ。
何がそんなにブレーキをかけるのか、理由を探ってみるとひとつ見えたことが。
実は、かなりの合理主義者なんですね。
やっても無駄ことはやりたくない。
とは言っても、自分の判断で決めているわけですから果たして合理的判断と言えるのか。
判断するには客観的な要素が必要ですから、私がその要素を見せつけないと。
そこから、毎回の授業で問題を解くごとに間違った原因を具体的に説明するわけです。
英語であれば、文法で間違えたのか、いやそもそも日本語の文法が怪しいのか。
形容詞?副詞?ってなったら、内容もさることながら表現自体考える必要もありますから。
当初は薄い反応だったんですが、間違いの原因が腑に落ちてくると自分で修正しようとする前向きな姿勢が出てきました。
そうして問題演習の正解率が上がってくると、勉強を行う合理性が見えてくるわけですね。
そうなると、次の段階は結果です。
変化が見えたのか、どうか。
続く…