あの日常が再び ver1
受験シーズンがひと段落して、教室が妙に落ち着いています。
それは私のボルテージが通常に戻ったからでしょうか(笑)。
今年もいろいろなドラマがあったのですが、その中でひとつの区切りとなった生徒との受験勉強がありました。
彼と初めて出会ったのは、開校間もない頃で、彼が小学校5年生の時です。
はきはきとしていて、それでいて繊細な好感の持てる子でした。
当時は人間関係に悩んでいたこともあり、個別指導で先生と相性の合う塾を探していたようです。
たまたま私と相性が良かったのか、体験授業後すぐに入塾を決めてもらえ、塾長と塾生との関係が始まったわけです。
とても素直な性格だったので、私のアドバイスを受け入れながら、真面目に勉強に取り組んでくれました。
とにかく手を抜かないで学習を継続できることが、最大の強みでした。
そうして中学生になっても学習姿勢を崩さずに安定した成績を取り、高校受検も第一志望校に無事合格を果たします。
ただ、順風満帆に中学生活が終わったわけではなく、3年間の間に時折思い悩むことがあり、その都度話を聞いてアドバイスをするという関係を続けていたんです。
そんな彼が高校3年生の始めに戻ってきました。
高校2年間はフルに部活に打ち込み、部活の引退が決まってから受験勉強に本腰を入れるためです。
性格は変わらず素直で、真面目なところも変わりありませんでした。
ただ、2年間以上部活に打ち込みすぎたせいか学業面では基礎の定着が不十分な状況で、第一志望校に合格できるかやや暗雲が立ち込めていました。
ここから目標目指して、再び長いようで短い道のりを走り出します。
(つづく)