変化を見逃すな
中学受験が終了しました。
全員が合格を勝ち取り、ほっと胸をなでおろしています。
個別指導ですから、一人ひとりに色んな思いがあります。
その中でも、小学校4年生から指導してきた生徒には印象深いものがあります。
物静かであまり意思を表さない。最初はそんな印象でした。
スピード感はあるものの、急ぐあまり計算ミスの連続というような1年間だったのを覚えています。
5年生の夏頃になって、中学受験に本腰を入れたいと相談を受けましたが、まだその時にも本人には実感がないようでした。
当初は算数の文章問題を1問解くのに20分以上かかることもあり、中々進まないことにやきもきもしていたんです。
でも、その頃から答えを出すまで諦めずに問題に取り組んでおり、そこに大きな可能性を感じていたのも事実です。
そうこうしているうちに6年生になり、受験生としての自覚が。
あれほど苦しんでいた計算ミスがみるみる減っていき、文章問題も一度理解した単元であれば5分程度で解けるようになってきました。
この変化は何か、本人に聞いても首をひねるばかり。
4年生の頃から6年生までの過程を思い起こしてみると、目や手の動きが変わっていました。
以前は、解けない問題にあたると、一点を見つめてじっと固まったまま動かない。
そんな様子が見て取れました。
でも6年生になってからは、何度も計算を繰り返し、息詰まると問題に戻る、というように、前に前に進むことが多くなりました。
「意識の変化」
これが一番の要因だと思います。
受験前に、「合格したい?」と聞いた時に、「合格したい」と目を合わせて言ってくれたことを忘れられません。
子どもは大人の数倍の速さで成長、変化します。
その瞬間に立ち会えた時、この仕事の醍醐味を感じます。
次は、中学生の出番です。
成長の瞬間を目に焼き付けます。